2023.05.29
シリーズ「革について」 メンテナンス編① 雨に濡れてしまったら
オリエンタルシューズでは、春日山原始林を守る運動への参画や、工場のco2排出量削減の取り組み等、サステナブルな活動が始まっています。
それはそれで活動の輪を広げて行きますが、もう一つ別の役割があると考えるようになりました。
それは、極めてサステナブルな素材であるところの革の魅力を、我々の商品やこのような場を通してお伝えする事です。
革がサステナブルである主な理由は以下の2点です。
・牛革に関しては、ほぼ100%が食肉の副産物である
・世界平均で原皮の45%が革にされずに廃棄されている
代替品〈人工皮革等〉を製造する際のco2排出量の多さや、革は商品サイクルが長い事等を主張するまでもなく、捨てられている資源を役立てる事が極めてサステナブルな行為である事は、異論のない所かと思います。
新シリーズ「革について」では、革製品の魅力や、上手な付き合い方、革についてのマメ知識等を発信させていただきます。
前置きが長くなりました。
革製品を長く使用するにはそれなりの気遣いが必要ですが、今回は、不意の雨でひどく濡れてしまった場合を想定して、メンテナンスの手順をお伝えします。
ちょっとした手入れをして靴を休ませて頂く事で、長くご使用頂けます。
まず外側の水分と汚れを綺麗な布で拭き取ります。
放置するとシミやカビの原因になってしまうからです。
古新聞等を靴の中に詰めて、日陰の風通しの良いところで乾かします。
紙は、中の湿気を取るのと型崩れを防ぐ効果があるので、なるべく奥の方まで詰めて頂くのが良いです。
翌日、湿った紙は新しいものと取り換えましょう。
直射日光の当たる場所や、ドライヤーなどで急に乾かすのは、ひび割れしたり変形する恐れがあるのでNGです。
また革底の場合
底も水を吸っているので、下の写真の様に浮かせた状態で乾かしてあげることが大切です。
靴が充分乾いたら、靴クリームを塗ってから保管しましょう。
シューキーパーをお持ちの場合はもちろん入れて置く事をお勧めします。
今回は、靴が濡れてしまったときのメンテナンス方法についてご紹介しました。
少し面倒でも適切な処置をする事で、長くご愛用頂けるのが革製品の魅力の一つかと思います。
(注)コードバン等デリケートな素材のものは、雨の可能性のある日は使用しないで下さい。
今後メンテナンス編では、靴磨きの方法等についてもご紹介する予定です。