2025.03.19
靴づくり編11_型紙その②
今回は、型紙の形に革を裁断してアッパーにする工程をご紹介します。
量産時は刃型を使ったりしてもっと効率の良い方法で裁断するのですが、試作品やサンプルはこのやり方です。

天然皮革には傷や生地の悪い部分があるので、そういった箇所を避けながらパーツを切り出します。


ここで少々込み入った話をさせて頂きます
革の繊維はその部位によって均一ではありません。
その為テンションが掛かった時に伸び易い方向とそうでない方向があります。
生産時は、これを考慮する必要があるのですが、靴になった時に縦<踵⇔爪先>方向に伸びにくい様に裁断するのがセオリーです。
その理由は二つあって、履かれるうちに履き口が伸びてフィット感が損なわれるのを防ぐ事が一つ目の理由。
もう一つは、出来上がったアッパーをラスティングする際に縦方向により強いテンションが掛かるという事情があります。
この方向に伸びてしまうとパーツの形や寸法が保たれず、安定したラスティングが出来ないからです。
同じように、裏材も裁断し


全てのパーツの裁断が出来ました。

続いて、パーツが貼り合わされる部分などの厚さを調整します。

漉き<スキ>という作業で、下の写真で白く見える部分は薄くなっています。

貼りシロに目印をいれてから

糊を付け

貼り合わせます。

叩いて

縫う、を繰り返します。


必要な箇所に補強テープを貼り


シューレースを通す穴を開け

アイレットを付けたり



余分な革をさらったり

更にパーツを貼り合わせて

靴っぽくなってきました。


裏材も貼り合わせ

縫って

アッパーが完成しました。

2回に渡ってご覧頂きありがとうございました。