JOURNALジャーナル

今回は型紙作りと、その型紙がアッパーになるまでの工程を２回にわたって御紹介します。 型紙の作り方も様々ですが、今回はイタリアのある靴学校で学んだやり方です。

＜原型作成＞　
今回選んだNo.1204ラストの原型を作ります。

下の写真はデザインテープ（おそらく商品名）という物ですが、伸縮性のあるガムテープをイメージしてください。

これをラストに貼り付けていきます。

全体に

余計な部分をカットし

こうなります。

はがして

ラストの長さや表面積や形を再現しているところのデザインテープを厚紙に貼り付けます。 ラスト上でカットしているので再現されるという理屈です。

原型のマスターが出来上がりました

次にラストに作りたい靴の絵を書きます。

デザインはどれでもよかったのですが、今回はシンプルな内羽根のストレートチップで

下の写真の様にこの絵を写し取ります。
透明のシートはトランシート（商品名）という便利なもので、これを絵の上に貼って、

線をはっきり書いて

はがして

線を切り出し

原型上に絵の線を書き込みます。

マスターを写したものにデザイン線を入れて、半型（弊社ではそう呼んでいます）という物が出来上がりました。

これでパーツを切り出す準備が完了したわけですが、

１．原型―立体であるところのラストの表面積や長さや形を平面に落とし込む
２．半型―ラストに書いたデザインを写し取る
３．半形からパーツを切り出す

型紙作りを区分けすると１～３になるかと思いますが、この中で靴の完成度に大きく影響するのは１と２の正確な再現性で、３は上手にカッターさえ使えれば、さほど難しい物ではありません。

半型から各パーツの型紙を切り出していきます。

パーツ毎に線を写し取っては切り出す作業を経て、表の型紙が出来ました

同じようにライニングの型紙も切り出します。

型紙が完成しました。

次回その２では、型紙通りに材料を裁断し、縫製する作業をご紹介します。
最後まで読んで頂きありがとうございました。