2022.02.14
靴づくり編4_木型(LAST)
皆様、こんにちは
今回は、靴の木型についてお話したいと思います。
木型のことを英語で「ラスト」と言います。
なぜラスト(LAST)と呼ぶようになったのか気になるところですが、
革など材料の選定は別として「靴の良し悪しに、最終的な影響を及ぼすのが靴型」ということや、
「足跡」を意味する古典英語から来ているようです。
木型には、設計段階で使用する木製のモデルラストと、生産用のプラスチック製ラストがあります。
モデルラストは、まずどんな靴をつくるかという構想から始まり、ベースとなる木型を検討し、
そこからデザインを木型に描いて型紙を製作する際に使用します。
既存の木型から選択する場合もあれば、新しく開発する場合もあります。
木型のデザインは、靴の種類やトウ(つま先)の形状によって大きく分類することが出来ますが、
同じトウの形状でも厚みや甲周りの周径が違う等、種類は豊富に存在します。
一方、生産用ラストは、吊り込みから底付けまで、木型にアッパーを吊り込んで靴を作る際に使用します。
デザイン、サイズ毎に一度に生産するロットに応じた数量が必要になるので、かなりの点数をストックしています。
木型は、履き心地とデザインに大きく影響します。その二つの要素をバランス良く設計することが重要で、生産時には、木型に沿って忠実に吊り込みします。
私達靴メーカーは、それぞれにオリジナルの木型があり、フィッティングとデザインを追求した木型は、そのブランドの生命とも言える存在なのです。